最近、進歩が著しい補助人工心臓についてまとめてみました。 人工心臓トップへ>>

補助人工心臓

拍動型と非拍動型

 さて、補助人工心臓にもさまざまな種類があります。
 まずその中心となるポンプの種類によって大きく2つに分けられます。
 拍動型と、非拍動型です。
 拍動型は、人間の心臓のように「ドックンドックン」と波打つ血流を生成するポンプ、
 非拍動型は、定常流型とも呼ばれ、一定の圧で血流を生成するポンプです。
 それぞれさらに細かく分類されますが、ここでは省略します。

体外設置型と体内埋込型

 また、そのポンプの部分が、体内に埋め込まれるタイプと体外に設置されるタイプに分類されます。
 開発の順番としては、拍動型の体外設置型→拍動型埋込型→非拍動型埋込型と発展してきました。ポンプの部分が体外に設置されていると、体動が著しく制限され、また感染症の危険も高くなります。

 <体外設置型の一例>

 そこで、非拍動でも悪くないということがわかってきて、ポンプの小型化が進み、体内埋込型が開発されてきました。埋込型といっても、ポンプの駆動装置やバッテリーの部分は体外にあり、お腹の脇から電線コードが出て、それが体内のポンプと駆動装置につながります。その駆動装置も小型化が進み、ショルダーバッグで持ち運べる大きさになっています。

 <体内埋込型の臨床例>

 完全置換型で、それらの駆動装置やバッテリーもすべて体内に埋め込むタイプも開発され、欧米で何例か臨床応用されましたが、さまざまな理由から販売が承認されていません。

■日本の現況

 日本では、これまで拍動型体外設置型、拍動型埋込型(ポンプが大きいため日本人には実用的でない)が承認されているのみでした(2010年9月)。
 2011年4月、より実用的である小型の埋込型補助人工心臓が保険適用となりました。

 <小型の非拍動型埋込型の一例>
 

 保険適用となった2つのタイプの補助人工心臓はいずれも日本で開発されたものです(下記)。
EvaHeart(サンメディカル技術研究所)2つ上の動画の補助人工心臓です
DuraHeart(テルモ社)

 この出来事は心臓移植を待つ重症心不全患者にとって大きな福音となりました。